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不可思議 レベル7

体調が悪かったこともあって、あまり暗い話題を目にしたくないということで報道関係は少し控えていたのですが、経済産業省の原子力安全・保安院の発表によると、福島原発事故のレベルが最高値の7に引き上げられたというのだけをまず聞いて、すごく不思議に思いました。

7段階中の7ですから、かなり深刻なわけです。

でも、実際の作業の様子などは、確かに深刻ではあっても着実に前に進んでいるようでしたし、環境中で観測される放射線の量も避難勧告の出ている地域以外はほとんど問題にならない程度の値しか出ていず、土から○○が検出などといっても、確かに自然界には存在しないので「大丈夫」と笑い飛ばせるわけではないけれど、健康被害が心配されるようなレベルでもなく、これのどこがレベル7なのだろうと思っていました。

よくよく聞いてみると「ある一時期にレベル7の適用要件を満たした」からというだけで、現時点でレベル7というほど深刻で危ないということではないと分かり安堵し、そしてまたまたいい加減な暫定値を決めたことに対して怒りがこみ上げてきました。

それでなくても、実際の事故の被害よりも今起こっている、そしてこれから起こるであろう風評被害の方がずっと深刻なのに、本当にわかっているのでしょうか。

そして、25年前のチェルノブイリ原発事故と同レベルの7に暫定とはいえなったことで、世界での日本の評価がまた悪くなりました。
実際の日本を見ていないから仕方ないのですが、韓国では、雨天で子供を心配した親が学校に行かせない等が起こり、各学校も休校措置まで取られたりとエキセントリックなほどの過剰反応が起きており、韓国政府も頭を悩ませているそうです。

もし、これから韓国旅行などをした場合、いわれない差別などがあったらと思うと憂鬱になってきます。

それなのに、日本政府も東電も保安院もIAEAですら「チェルノブイリとは違う」と言っていて、いったい何が言いたいの?というわけの分からない状態になっています。

チェルノブイリの事故は、4号炉が運転中に暴走して大爆発を起こし、炉心ごと吹き飛んでしまったために、外部に拡散した放射性物質の量が推定で10t前後という考えられない値となっており、今の福島原発の比ではありません。

この量は、広島に落とされた原爆で放出された放射線量の400倍であるというのがIAEAから出ている数値だそうです。

福島原発は、4基が損傷し放射性物質が外部に漏れてしまったとはいえ、収束に時間がかかっているものの最悪の状態になど向かっておらず、このことだけを考えても「チェルノブイリと同じレベル」に決まったのは納得がいきません。

また、チェルノブイリの事故の際は、当初情報漏えいとパニックを恐れたソ連政府から事故自体が発表されなかったために周辺住民は避難が出来ず、甚大な量の放射性物質をまともに浴びてしまうことになりました。

不手際ばかりの日本政府ですが、念のため程度だった頃から20km圏内の住民に避難勧告を出し、(当時は)そこまでやるのか?という屋内退避の指示を出して、住民を守ろうという姿勢は示しました。

またチェルノブイリの場合には、こんな状態であるにも関わらず、事態の収拾に消防隊や清掃用の作業員を送りこんでしまったため、直後に203人が入院し、うち31人が死亡しています。

死亡した方のうち、28名は急性放射線障害だったそうです。
日本では、被曝による死者は出ていません。

この程度の情報を比較しただけでも、相当な違いのあるチェルノブイリ原発事故と福島原発事故。
なのに世界的な基準でレベル7と暫定とはいえ同一認定されてしまいました。

ロシアの専門家ですら「やり過ぎ」とコメントしているようです。

これから復興に向けて、少しでも明るい方向に持っていかなければならないのに、少しの間基準に適合していたレベルで最高レベル認定は、かなりおかしな話です。

今回のことを受けて日本政府がどれだけ日本の実情を世界に訴えられるかが重要だと思っていますが、情報の一本化も図れない未熟な政権に任せても、無理なのではないかとため息をついています。

とにかく、私たちはあまり気に病まず、今行っている作業が無事に終わるよう祈っていきましょう。

Nulevel

国際原子力事象評価尺度

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