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社団法人 日本原子力学会 ~プレスリリース~

東京電力福島第1/第2発電所の事故について
放射線のレベルについて(公表されている放射線量はどのような意味を持つのか)

2011年3月16日(随時更新予定)

2011年3月11日に発生した東日本大震災において、多くの方々が犠牲となられ、また被災されましたことについて心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
(社)日本原子力学会は、社会的関心の高い科学技術である原子力の広範囲にわたる学術・技術専門家集団として社会への情報提供を行うため、本会の主要な活動等について、随時プレスリリースを行っています。

この度、この激甚災害のなか、東京電力㈱福島第一および第二原子力発電所において、放射性物質の環境への放出があり、各地の放射線測定値が通常の何倍にも上がっていることに深く憂慮しております。そこで当学会におきまして、下記のとおり今般測定された放射能レベルについてまとめましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

【本文】
3月15日午前10時に福島第1の3号機周辺で400mSv(ミリシーベルト)/h という高い線量が計測されました(1mSv=1000μSv)。しかし、これは敷地内の局所的な値であり、敷地境界では15日午前9時に正門で観測された11930μSv/h が最大です。

3月15日午前9時に東京電力福島第1原子力発電所正門のモニタリングで測定された11930μSv(マイクロシーベルト)/h の意味を説明します。

Sv は放射線の人体への影響をはかる単位で、マイクロは100 万分の1 の意味です。11930μSv(マイクロシーベルト)/h は、11930μSv(マイクロシーベルト)毎時ということです。

μSv 毎時とμSv の関係は、自動車の速度と距離に相当すると考えれば分かり易いでしょう。例えば100km 毎時で一時間走ると、100km の距離を走ることになります。

50km 毎時だと100kmを走るために2 時間かかります。

11930μSv 毎時は、一時間その場所にいると、11930μSv という放射線量を浴びるという意味です。注意する必要があるのは、11930μSv 毎時は、最も大きな値で、平均的にはずっと低い値で推移していることです。

つまり、スピードが出ていたのは少しの時間で、ほとんどの時間はゆっくり走っている状態ということです。

国連科学委員会の報告には、自然界から受ける一人当たりの平均の放射線量は、1 年間で2400μSv であるとしています。自然界から受ける放射線の量は場所によって違いがあり、年間で10000μSv~20000μSv に達する自然放射線を浴びている人もかなりいるといいます。

また、東京-NY 往復で200μSv、胃のレントゲン撮影で一回600μSv、CT スキャンでは6900μSv 程度の放射線を浴びています。

国際放射線防護委員会が職業上放射線被ばくを伴う業務の従事者や一般公衆に対して勧告している被ばくの上限値を線量限度といいます。

この線量限度は次の考えにもとづいています。

(1)急性の放射線障害の発生を防止するため、しきい線量(実際に影響が現れる最低の線量)よりも十分低く定める、

(2)がんの発生率に関してはしきい線量がないものと仮定した上で、一般社会で許容できる程度の線量とする。

この考え方に基づき、一般公衆の線量限度は1年間に1000μSv ですが、職業人は5年間の平均が20000μSv/年となっており、ある年に20000μSv を超えても他の年に下回っていて平均で20000μSv/年を超えなければよいという勧告になっています。なお、線量限度には自然放射線と医療による被ばくは含みません。

1回の被ばくで100000μSv(100mSv)を大きく超えた場合にはガンの発生確率が被ばく量に比例して増加するとされていますが、それ以下の被ばくではガンの有意な増加はみられていません。

以 上

* 「被ばく」は漢字で書くと「被曝」(放射線にさらされること)であって、「被爆」(爆撃を受けること、原水爆の被害を受けること)ではありません。

(オリジナルはこちら)
http://www.aesj.or.jp/info/pressrelease/pr20110316.pdf

【あじゃみんより】

上記本文の赤字は、こちらで強調したものです。

書き方が硬いのでわかりにくいですが、大切なことは局地的な場所で作業されている方の被曝量を報道しているものと一定範囲の退避場所とでは、被曝量が相当数違うので、いたずらに怖がる必要はないということ。

また、最後の「被ばく」の解説でも分かるとおり、「放射能」だとか「放射線」という言葉が独り歩きして、あたかも「原爆被害」と同じように勘違いしている方が多いと思いますが、まったく異なるものです。

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