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その土曜日 朝、8時57分

見てる傍から情けないというか、泣きたくなる映画です。

もうちょっとましなこと考えられんのか?って突っ込みたくなるんですけど、人間追い詰められるとこうなっちゃうのねという典型的なお馬鹿男の話。
まぁ、そういう風に冷たく言えない部分もあります。
身につまされるというか、「親の期待に応えたいけど、そんな実力ないし」って自分がいた場合、開き直って「僕にはそんな能力ありませーん」と身の丈にあった暮らしを送るか、それとも見栄を張って生きるか。
見栄を張って生きる場合、もし何かで躓いたら、それこそ一寸先は闇ですね。

アンディ・ハンソン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、長男として親の期待を一身に背負いながら、その重圧と共に生きてきた男、妻にも周囲にも虚勢を張っているからか、どうやら何か問題がある様子。
一方、その弟で次男坊のハンク・ハンソン(イーサン・ホーク)は、そんな兄に庇われながら、親にも可愛がられて育ったからか、どうにもうまく生きることができず、妻からも三行半を突きつけられ、無理してセレブ校に入れてしまったがために学校の費用で手一杯になり、最愛の娘の養育費にもことかくありさま。
別れた妻からは、甲斐性なしと顔を見ればののしられる始末で、見ているだけで情けなくなります。

このふたり、見栄の生活と子供へのお金のためにそれぞれとーってもお金が欲しいんですね。
お互いそれぞれの理由で、近いうちにお金が入らないと、かなり困ることになる。
でも、こういう人たちって、「だったらがむしゃらに働こう」とは考えることができないわけです。

となると、残る方法はただひとつ。
ヤバイことやって大金をつかむしかない・・・となっていきます。

お兄ちゃんは、変に「自分は頭がいい」と思っているらしく、ある計画を「完璧だ」と思って弟に実行させようとします。

自分は、やらない。
考えるだけで、実行するのは喉から手が出るほどお金が欲しい弟です。

でもね、次男坊で可愛がられて育ったから、そうそう「俺は悪人になるぞ」なんてことにはならないので、その計画に乗ったはいいけど「やっぱりひとりじゃ無理だ」とある人物を巻き込んでしまうんです。

これが運のツキ。

誰も傷つかないように完璧に考えた計画だったけど、実際に人はふたりも死んじゃうし、人まで死んだというのにお金は手に入ったわけじゃないし、計画を実行する前よりもーーーっと悪い方向に進んで行ってしまいます。

あーあー、馬鹿だなぁ~。
見ているとため息が出てきます。

悪いことって、するもんじゃないわ。

最後は最後で「そーだよねー、そうなっちゃうよねー」という悲惨な結末が待っています。

はっきりいって、救いのない話ってのは、こういう話なんじゃないかと思う悲しくて重たい映画でした。

それはそうと、冒頭の数分がフィリップと妻役の人のベッドシーンなんですけど、これがもう「やめてくれないかしら」というリアルさ。

「あんたのお尻なんて見たくないわよぉ!!」

って叫びたくなりました。

あの体型でそれはないでしょーーーみたいなシーンで、なくても良かった気がする。
でも、倦怠期でいつもはそんなにうまくいっていない夫婦が、旅行先では昔みたいになれたという、このことも後の伏線になってきているんですよね。

気持ちわかるけど、悪いことはやめとこうね・・・っていうか、世の中そんなに甘くない、言いたいことはそれかもねって思いました。
原題は、 BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEADなんですけど、この意味もなんとなく「なるほどねぇ」と納得の映画でした。その意味は、冒頭でのナレーションですぐわかりますが、なんでそういう題名なの?というのは全編を通して見ていると「言いたくなるわね、それって」ってわかります。

とはいえ、馬鹿兄弟の父親役で出ていたアルバート・フィニーって年取ったわねぇという驚きの方が映画の余韻を感じるより大きかったです(笑)

devil

(C) 2007 CAPITAL FILMS LIMITED.
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その土曜日、朝8時57分

原題:BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD
製作年度: 2007年
アメリカ/イギリス
上映時間: 117分
フィリップ・シーモア・ホフマン(アンディ・ハンソン)
イーサン・ホーク(ハンク・ハンソン)
マリサ・トメイ(ジーナ・ハンソン)
アルバート・フィニー(チャールズ・ハンソン)
ブライアン・F・オバーン(ボビー)
ローズマリー・ハリス(ナネット・ハンソン)

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