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市川雷蔵って確かにすごい役者 ~陸軍中野学校~

韓国語を習っているので、耳慣らしに無料動画Gyaoのアジア特集にあるドラマなどを見ていますが、どうもやっぱり身というか気合が入りません。

韓流ドラマって、正直私の性にはあってないのかも。

そういう時には、別の映画を探してしまうのですが、今回観たのは時代劇の往年の大スター市川雷蔵主演の「陸軍中野学校」です。

陸軍中野学校は、旧日本軍の中に本当にあった「諜報部員」つまりスパイを養成する学校でした。

私も詳しくはよく分からないので、本物については、各自でお調べくださいな。

この映画は、1966年(昭和41年)製作という43年前の映画です。
もちろん、モノクロームの年代物って感じですが、時代の描き方が旨く、戦闘シーンのまったくない戦争映画(戦争のバックグラウンドのひとつ)という映画でした。

主演の雷蔵は、終始抑えたトーンの芝居で通し、女性ファンが多かったのもうなずける格好良さでした。

非情なスパイという役どころを見事に演じて、グッときてしまいました。

さすがに年代は私の一昔前の世代ですが、「市川雷蔵が街に来た時学校を休んだ」って聞いても、なるほどなぁ~といったところでした。

若くして亡くなったのは、本当に惜しかった方ですね。

準主役の女優は、小川真由美。
めちゃめちゃ綺麗です。

年齢を重ねるにしたがって、妖艶な役が多くなった女優さんですが、そういう部分も垣間見えるとはいえ、十分に昭和初期の上品な女性の雰囲気が出ています。

しかし、戦闘シーンがないとはいえ、本当に戦争というものは残酷ですね。

急ごしらえのスパイ学校の授業に耐えられなくなって自殺してしまう人とか、結構リアルなんです。

また、自分たちの刀を盗んで売り飛ばそうとした仲間を粛清してしまうとか、最初は個人がどう学ぶかだったはずなのに、学校を存続させることに変わっていってしまうところが集団の怖さだなと考えさせられました。

セリフの言い回しや間の取り方などは、今の時代とは大きく違いますが、しっかりと作られている映画なので、「見た方が良い」映画だと思いました。

陸軍中野学校

監督: 増村保造
脚本: 星川清司
音楽:山内正
出演:市川雷蔵、小川真由美、待田京介
        E・H・エリック、加東大介 他

サスペリア・テルザ 最後の魔女 ~魔女三部作完結編~

久しぶりに友人おタツとふたりでホラー映画友の会を開催しました。
開催っていっても、観たってだけですけど(笑)

本題に入る前にちょっと話を昔に戻すと、本作の監督ダリオ・アルジェントの魔女三部作の最初の作品「サスペリア」が公開されたのは、私が小学校の頃でした。

既に他界している親戚のおばさん(厳密には祖母の一番下の妹、つまり私の母の叔母)が子供がいなかったこともあって、可愛がって色々と連れて行ってくれたのですが、その日は有楽町だったと思うのですが、映画を観に連れて行ってくれるというので出かけていきました。

1本は、子犬かなにかが主人公の子供らしい(子供向けの映画ではなかった気がします)映画でしたけど、お昼を挟んで「もう1本観るから」と言って連れて行かれたのが「サスペリア」でした。

小学生にこれかい!って感じですけど、うちは家系?なのか怖いものが大好きで、おばけの話とか幼稚園の頃から聞かされていて、小学校の時の「成績が良かったご褒美」が「妖怪大百科」だったくらいです。

大人になってから観たイギリス発のホラー映画「ヘルレイザー」。
映画館で、そのキャラクターのピンヘッド(顔中に釘みたいなのが刺さっているキャラ)の特大ポスターを貰ったので母に見せたら「あら、いいじゃない」と言われたのを思い出します。

そんなわけで、今考えると字幕とかも難しいし、小学生に理解できるかどうかって感じの映画でしたから、単純におばさんが観たかったのかもと思いますが・・・。

その時も天井から蛆虫が落ちてくるシーンだの、針金かなにかの輪に落ちて死んでしまうシーンだの、犬に襲われて死ぬとか、とにかく気持ち悪いとか残酷なシーンが満載でしたから、結構ショッキングな内容でした。

こんなのがトラウマにならなかったのは、小さい頃から「慣らされていた」おかげかも知れません(笑)

そんな思い出の映画サスペリア。
こんなに長い年月が経ってから「完結編」的映画が封切りされたとあっては、観に行かないわけには行かないじゃありませんか!(そういいつつ第二作は観てない私です←おいおい!)

さて、長い前置きを読んでくださってありがとうございました。
ここからはいよいよ映画本編の話に入ります。

この映画、ホラー映画の巨匠ダリオ・アルジェントの映画ということですが、実は海外での公開は2007年、つまり2年前です。

日本でなぜすぐ公開されなかったのかは分かりませんが、私としては待ちに待った公開となりました。また、日本人の女優市川純(といっても相当の年月イタリア在住で活動もイタリアが主だそうです)が魔女のひとりとして出演しています。

<ストーリー>

絵画修復の技術を学ぶためにアメリカからローマにやってきた研究生のサラ・マンディ(アーシア・アルジェント)は、同僚女性と墓地で発掘されたと持ち込まれた棺の中にあった骨やローブ、短剣などを調べていると封印されていた悪魔を解放してしまい、ローマを暗黒の都市へと変貌させてしまう。
悪魔たちに共に作業をしていた副館長のジゼルが惨殺されてしまい、逃げる道すがら自分が魔女と戦って命を落とした「白魔女(良い魔女)」の娘だと知ることになったサラは、復活した魔女「涙の母」を倒すため、単身館に乗り込んでいく・・・。

<感想ほか>

いやいや、ダリオ健在!といった初っ端から「ギョエェ~?!」ってシーンで盛り上がりました。

時代が変わって、表現が更にリアルになっているというか、「そこまでやるんかい!」というほどグロテスクな描写が満載でした。
正直にいうと、とりあえず「観なくては!」というので、下調べもなーんにもして行かなかったので、どういうストーリーかも知らず、どんなタイプの映画なのかも分からずに行ったので、冒頭で惨殺される副館長ジゼルの様子を見て、結構ドキドキしてしまいました。

いわゆる血しぶきの飛び散るスプラッター・ムービー自体はあまり好きではないので、ほとんど観ないのですが、ローマが舞台であるというのと、映像が綺麗なので割りと見られてしまいましたね。

とはいえ、この作品、脚本がイマイチどころかイマサンくらいで、もう突っ込みどころ満載なんですよ。

「大丈夫だったはずがなぜ死んじゃうの?」

とか

「えっ?どうしてこの人がここに?」

とか

「なんでここでこのシーンが?」

ってのが満載で、話のつじつまが合わないというか「超ご都合主義」な感じがアリアリとしていて、せっかく完結編というのだから、もうちょっとしっかり作って欲しかったですね。

どっきりシーンで本当にどっきりできたので、まぁ、楽しかったことは楽しかったのですが、なにせそういう風に「どうしてあそこはああだったの?」的なストーリーだったこともあって、はっきりいって深み全然なし!

ラストシーンも「それはギャグかい?」って感じの終わり方でした。
とはいえ、このラストシーンは、監督の思い入れもあっての「ご都合主義お笑い系ラスト」だったのかもしれません(どうしてかは他の作品を見てください)。

全体を通して、残酷なシーンを見せればいいんだってだけの映画になってしまっていたので、ストーリー性のあるホラー好き人間としては、とっても残念でした。

前述したヘルレイザーも1本目は人間の本質に迫った「考えているなぁ~」という作品でしたが、回を重ねるごとに「ご都合主義な怪物映画」になってしまったし、エルム街の悪夢も最初の1本はストーリーに惹かれる作品だったのに、やはり2本目以降は、どうでもよい悪キャラ映画になってしまいました。

13日の金曜日に至っては、悲しい親子の物語だったはずなのに、単なる「怖いジェイソン」のスプラッターになってしまいましたから、エクソシストもなにもかも、ホラーの2作目以降はそういう運命なのかも知れませんね。

とはいえ、突っ込みどころが満載だったおかげで、帰りに豚骨ラーメンを食べながら大いに盛り上がりました(笑)

渋谷のシアターNでしか上映していないので、観られる人が限られると思いますが、DVDになったらぜひ観てください。

かなりリアルな残酷シーンなので、そういうのに弱い方は絶対無理ですので気をつけて。
公式サイト(現在は閉鎖)でその断片を見ることができますよ。

サスペリア・テルザ 最後の魔女

Terze01
(C) COPYRIGHT MEDUSA FILM S.p.A.・2007

原題: LA TERZA MADRE/MOTHER OF TEARS
製作年度: 2007年 
監督: ダリオ・アルジェント 
上映時間: 98分

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